美
10年以上前、パントマイムの稽古に熱中していた頃に新宿駅で脚が悪いのであろうと思われる方が階段を降りていくのを見かけました。
その歩き方は多くの人たちの歩き方とは違っていたけれど、ふわり、ふわり、と一段一段降りてゆく姿が実に美しくて、動きの洗練というのはああいうことをいうのだろうなと思いました。
完全無欠な身体もいいけれど、それよりも私は、何か欠けていたりうまく機能しないところがあってもそれに適応して自らを洗練させていくような身体システムに惹かれます。それはきっとその人の生き物としての意思と生き様そのもの。
あれから長い時間が過ぎて施術をするようになって、ワークの中で時折、受け手の方にあの時感じたような尊さと美しさを感じることがあります。
おそらく誰の中にもある、生き物としての力につながり直すお手伝いができたら嬉しいなあと思います。
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