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セッションについて

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  セッションについて 外から決められた「正しい形」にあてはめなくても、身体には自らバランスを探して適応していく力があります。 セッションでは間合いと軽いタッチにより心身を深いリラックスに導き、身体の内側からの変化を促します。 ☆場所:神奈川県川崎市 溝の口、登戸、向ヶ丘遊園よりバス(ご予約時にお知らせ致します)。駐車場はありません。近隣の駐車場をご利用ください。 ☆営業日:対面セッション 火曜日〜土曜日(祝日除く)10時~17時 ※オンライン・遠隔セッションについては21時頃まで可能です。 ※対面・オンライン・遠隔ともに上記以外の曜日についても調整可能な場合がございます。ご相談ください。 ☆料金(2024より) ・対面セッション 10000円/1回(60分程度)  ・遠隔セッション 5000円/1回(20分~30分程度。お身体の反応に応じて前後します) ※Yielding embodimentは3シリーズで全体(背面、側面、腹面)にyieldの動きを引き出します。また、より統合を深める8シリーズもあります。 1回でお受けいただいても効果は出ます。また逆にシリーズを終えた後もお受けいただいてy深めたり調整として使っていただくこともできます。 ※価格については随時見直しをさせていただきます。 ※お時間はあくまで目安です。 お問い合わせ・ご予約はこちらまで kai.mabuchi@yielding-embodiment.com

いのちの輪郭

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高校生の頃、山岳部に所属していました。 その頃の私は生きていることに疲れ果てていて、それでなんとなく自分の命がかかるような体験を求めていたようなところがあったと思います。 夏の合宿で登った北アルプス。おぼろげな記憶をたどると、燕岳、大天井岳、赤岩岳、槍ヶ岳から徳沢に降りて上高地まで歩いたのだと思います。 初めて森林限界を超えて歩いた稜線。青の底に宇宙の黒を感じるような空の色。 全てがむき出しで逃げ場もなく自然と向き合わざるを得ない。 滑落の危険、落雷の危険、暑さや寒さ。危険に晒されれば「怖い」と感じる。そう感じる自分はやっぱり生きたいのだな、と自分の心よりも身体からやってくるものを信頼しようと思った。 身一つで歩き切るしかない山歩きは、生きていることに疲れていた私の命の輪郭をくっきりと浮かび上がらせてくれました。 山の朝は早い。 2時に起床して、3時に朝食、4時にはテントを畳んで出発する。 起床してテントを出ると頭上に満天の星、天の川。 出発する頃には雲海が広がって、やがて朝日が昇ってくる。 大きな大きな宇宙というシステムの一部としての私。 昼間道端で死んでいた野ネズミやミミズ、家族で歩き回っていた雷鳥と同じように、私もただその一部としてここにあるのだと知りました。 とても壮大で、同時にとてもちっぽけな「私」というもの。生き物はみんなそういう側面を持っている。 あのとき山で感じた美しさは私が人の身体を見るときの原点のひとつ。 安全・安心な感覚の中で自分とつながりなおす Yielding Embodiment Orchestration Resonance Blue

身体が語るもの

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クライアントさんから 「HPのこんな方におすすめ、というリストの中に対人関係の問題について書かれているのはなぜですか?」 というご質問を受けましたので、書いてみようかなと思います。 まず、イールドで使っている間合い(他者との距離感、位置関係)。セッションではこれによって居心地の良さが変化する、ということを体感していただくことができます(人によっては意識に登るまでに時間がかかることがありますが、身体は感じているので変化が起こります)。 それが感じ取れるようになれば、日常の中でも意識の上では嫌な人でも悪い人でもないけれどなんとなく身体が向かない、居心地が悪いという相性の人に気がつくことができるかもしれません。そういうちょっと合わない相性の方とは無理をせず、いい間合いでのお付き合いを意識してみるとうまくいきやすいかもしれません。 また、凄く惹かれあって激しく反応するような相性の方もいます。そういう組み合わせはわーっと盛り上がってテンションが上がった後にお互いキツくなったり合わなくなってトラブルになることが多いかもしれません。このときも気がついておけばちょっと寂しくても適切な間合いをとって長く楽しいお付き合いが続けやすくなるかもしれません。 それから、距離だけではなく位置関係もあります。 違和感があったら身体の位置を変えてみたり、ものの配置を変えてみると緩和されることもあるかもしれません(真正面に座らない、間にものを置くなど)。 いずれにせよ、間合いの感覚を育てることによって対処できることがあるということです。 それからもう一つ、腹側迷走神経複合体が働きやすくなることや姿勢の変化によって人にどう扱われるかが変化する可能性です。 人間は無意識に相手の神経系や姿勢を読み取って相手に対する対応を変えているところがあります。公共の場所で誰かのとげとげしい声が聴こえてきてイラっとしたり怖くなったという経験は誰でもあるのではないでしょうか。 腹側迷走神経複合体がうまく機能しているときの声のトーンというものがあります。機能していないとき、そんなつもりはなくても声が戦いや恐怖の信号を相手に伝えてしまっていることがあって、自分も相手も無意識にその攻撃的なトーンに巻き込まれていく、ということが起きていることがあるように感じます。 また、表情筋や動きの滑らかさ、姿勢なども同じように神経系のはたら...

目線と運

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セッションの後に「目線が上がる」方がいらっしゃいます。 私は目線が上がることには大きな意味があると思っています。 目線が下がってしまうことと気持ちが内向きになってしまうように感じるし、そういう時は自動思考にも飲まれやすくなるように思います。 目線が上がると外の世界に目が向く。 遠くから苦手な人が歩いてくるのにも早い段階で気がついて、進路変更することができるかもしれない(笑) 遠くに好きな芸能人がいることに気がついてサインをもらいに行けるかもしれない(笑) 危険もチャンスも、目線が上がって外の世界に意識が向くからこそキャッチすることができるのだと思います。 誰かと目が合って仲良くなることも下を向いていたらなかなか起こらない。 ご縁も運も、目線と関係していたりするかもしれないな、なんて思うのです。 安全・安心な感覚の中で自分とつながりなおす Yielding Embodiment Orchestration Resonance Blue

有機体としての場

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先日させていただいたサテライト形式でのオンラインイールドワークショップで主催の方から、ある瞬間から会場(2間続きの和室で、2組のペアがワークされていました)とzoomで繋いでいる私(馬渕)の部屋の空間が統一されて一体化したような感じがした、と教えていただきました。 先日都立大学でのワークショップでもペアワークのある瞬間に空間が一体化した感じがしたと何人かの参加者の方がおっしゃっていました。 この状態をコヒーレンス(全体が一体化してゆらいでいる状態)と呼びます。 空間の中にある質感がうまれてきて場を統合していく感じ。その場にいる人たちが、それぞれ個でありながら全体としてひとつの生き物であるかのように響きあう感じ。 細胞の集合体が私たちの身体であるように、人もまた場を介してひとつの有機体のようにふるまう。生命の力がダイナミックに立ち上がってくる場であり、そこでは「存在」が立ち上がってくる感じがします。 そのような場をコンディショニングすることがイールドの技術で、本質的には扱っているのは身体ではないのだと思います。 オンラインワークショップの主催の方が 「ふんわりし ただけのリラックスとは別の、折り目の整った質、空間に張りがあるように感じられて、その一体感にはイールダーとしての海さんの力を感じました。もしかして私もそれにすこしは力添えできてるのかも?なんて、鼻高くなりそうな気持を抑えました  」 とご感想をくださいましたが、もちろん力添えをいただいているのです! 場はひとりではできないのですから。 安全・安心な感覚の中で自分とつながりなおす Yielding Embodiment Orchestration Resonance Blue

小さな偉業

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先日セッションさせていただいた自閉症と重度の知的障害のあるお子さん。 親御さんがいつもお子さんの手や足にマッサージをされているのだそうです。 そういう風に親御さんが「触れる」という窓を開けておいてくださることでセッションにすっと入れるということがあるのだとボディーワークの大先輩から教えていただきました。 きっと親御さんはそんな風に思ってされていたわけではないのだと思います。 でも親御さんのタッチがお子さんにとっては他者や世界とつながるための通路になっているのだということ、セッションをさせていただいた後ではよくわかる。 世界は小さな偉業に満ちている。 そのことに気がつけたらいいな、と思います。 そして、自分のささやかな偉業にも誇りを持っていたいと思う。 安全・安心な感覚の中で自分とつながりなおす Yielding Embodiment Orchestration Resonance Blue

ふたりでおどる

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自閉症と重度の知的障害のあるお子さん(Aさんとします)にセッションをさせていただきました。下書きを読んでいただきご許可を頂いて私の経験を書かせていただきます。 姿勢の悪さと身長が伸びないことを親御さんが気にされてご依頼いただきました。 イールドで場を整えてつながりを作ってから少しずつ触れていく。 お身体を動かしてみるとノイズのような不随意な運動が沢山ある。でも身体が行きたいところ、行きたくないところを感じながら対話するように動かしていくと、最初は雑誌に夢中だったAさんが雑誌に目を向けたまま「あれ?」とこちらに意識を向けられたのが分かりました。 そのまま身体で対話を続けていくと、ノイズの向こうにAさん自身がいるのが感じられるようになってきました。遠くから聞こえる微かな音楽を聴くように耳を澄ませてみる。Aさんも目を細めたりして、同じ音楽に耳を澄ませていらっしゃるように見えました。 リラックスしたときでるというよだれがでたり、ご機嫌な時にされるという首振りの動きが出てきたり。 姿勢を変えて座って頂いて腕を動かしていると、だんだんとノイズが背景になっていってAさんと直接お話している感じになってきました。雑誌から目が離れて、窓の外の夕暮れの景色を少し不思議そうに眺めているAさんの姿は何か大切なことを思い出そうとしておられるように見えました。 窓の外の空間の広がりを感じた時の感じに腕のポジションを動かしてみる。 よく晴れた夕方の空を一緒に眺めている身体を一緒に味わう。 右腕を動かすと指をさすような手の動きが出てきたので、窓の外の見ておられる場所を指さすように動かして意識・意志・動きが調和するようなポジションを探す。そのままそっと身体の正中線を超えて手を反対側の口元へ誘導して何度か当ててみる。 ふっとAさんが振り向いて私の方を見てくれて目が合ったとき、内側の世界と外側の世界、両方がつながって「出会えた!」という感じがしました。 フェルデンクライス・メソッドではセッションを「二つの神経系のダンス」と言ったりするそうですが、ああ、この感じなんだ!と思いました。 そこには「する→される」の関係はなくて、Aさんが私の誘いに応じてくれたから今日の夕空を一緒に踊ることができた。存在に触れることは存在に触れられることでもあるのだと知ったとても深い体験でした。 生命はそれ自体が自律性を持つ。身体...

バウンダリーと背骨

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「 人間脳を育てる 」の中では「脊椎のありかがわかり、自分で動かせる」ことが「自分という人間がわかる」「信念の土台」という風に書かれています。 自分の経験上もありそうな感じがするのですが、それはどうしてなのだろう? 赤ちゃんの発達を考えるとき、お座りの段階まで進むと脊椎が重力方向と一致する。 このとき、空間の知覚が平面的なものから三次元的なものに変わる。 そうすると、前、後ろ、横、上、下と全方位に空間認知が広がって、自分という座標点が認識できるようになる。 自分で移動する可能性が出てきて、能動的に働きかけることができるようになる。 それによって自分とそうでないものの区別がはっきりしてくる。 重力方向と背骨の方向が合致することで空間認知が変わり、移動可能性が出てきて、それによって世界とのかかわり方、自己認識が変化していく。 バウンダリー(自他の境界)というのがありますが、まず自分という認識がはっきりしていないと境界は引きようがない。心理的な自己探求も役に立つと思いますが、もしかしたら身体の感覚を育てていくことでバウンダリーの基礎の部分を補強できるなんてこともあるかもしれません。 安全・安心な感覚の中で自分とつながりなおす Yielding Embodiment Orchestration Resonance Blue