退行


トラウマのフラッシュバックに対する漢方の処方、神田橋処方で知られる神田橋篠治さんの「心身養生のコツ」という本に「一度退却して体勢を立て直す工夫として、退行を自然治癒力の活動として捉える」ということが書かれていました。

青虫が蝶になる前に蛹になることと似ているのかもしれません。

一時的に今までよりもフィジカルやメンタルが下がったとしてもそこを通らないと前には進めないのだと納得していたら、いつもよりも「だめ」になってしまった自分を労わりながら待つことができる。

子供を見ていても、イヤイヤ期があったり、いじわるになってしまう時があったり、全能感からの尊大さが出てくる時期があって、それを調整しながら成熟していくのだなと感じます。

それらを悪として排除したり矯正してしまうのではなく、必要なプロセスのひとつなのだと知っていたら。「折り合いをつける」まで待つことができたら。そこに、本質的な変容・統合の道があるのではないかと思います。

大人になった自分に対しても「折り合いが付くまで待つ」ということを大切にしていきたい。

青虫の身体がいったん分解されて蝶として再構成される、さなぎの時代を。

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