石と石を打ち合わせて石器を作る体験をしてみると、石には石の性質があるのだなあということが分かります。

例えば石器にする方の石は、薄く割れやすい石とそうでない石がある。多分、結晶構造みたいなものが関わっているのだろうなと思うけれど、それを知識として知っているだけでは石器は作れなくて、石の構造がもたらす質感を感じ取れないといい石が選べない。

そして、石を打ち合わせたときの感覚。

WAN2で川口さんに見せていただいたお手本では石を打ち合わせたとき、私のと川口さんのでは音が全然違いました。川口さんのは、くっきりとして直線的。力がひとつに集まって抜けてく感じの音。音を聴けば石が割れるような叩き方ができているのかどうかがわかるんだなあと、川口さんのに近い音が出るような叩き方を探しました。

「勉強」というと「体験から得たエッセンシャルな部分をいかに集め繋げるか」という知識的な感じになりがちだけれど、「体験すること」「質を知覚する」ということのなかでしか学べないもの、触れられないものがあるのだなあということを思いました。

yieldにも「質」があります。静寂や平和の質感。身体的共鳴や間合いを使ってそれを受け手の方に感じていただくのがyieldの技術であり、受け手としての経験から、その質は受け取って下さった方が継続して育てる事ができるものだと感じています。

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