人間脳を育てる


灰谷孝さんの書かれた「人間脳を育てる」を再読しています。

読みながら新しい発見が色々とあってとても面白い。今回は自分の経験も踏まえて、発達障害と複雑性PTSDが似たような症状を持っていたり重なっていたりする理由について考えることがありました。

この本では子供たちは自分の発達を促す遊びや動きを本能的に知っていて、それを邪魔したり止めたりせずにやりきらせることが発達を進めるのだと書かれています。

私自身も子供のころも大人になった今でも、これがやりたい!とドはまりして飽きるまでする遊びというのが時々あるので、なんとなく心当たりがあります。

ところで、ポリヴェーガル理論では「遊び」「好奇心」は腹側迷走神経複合体が活性化されたモードだと言われています。

とすると、自分の発達を促す遊びや動きが本能的にでてこられるようになることや遊べることで神経系の発達が進行するには、そもそも腹側迷走神経複合体の活性化が起こっている必要があるのではないでしょうか。

幼少期に逆境が多いと交感神経や背側迷走神経のモードで過ごす時間が多く、腹側迷走神経複合体のモードも立ち上がりにくくなる可能性が高い。そうすると原始反射の統合的な意味合いでの「遊び」ができにくくなるのではないか、と想像します。

もしそうだとすると、複雑性PTSDがあるような生育環境がある人は遊べなかったことでで未統合の原始反射が残っている部分が多くあるのかもしれません。

また、「人間脳を育てる」には原始反射の統合が学習能力・コミュニケーション・情緒にも関わってくることが書かれています。この3つがうまくいかないとよりPTSDにつながるような体験をしやすくなりそうだし、情緒の処理がうまくいかないと流せずに残る感情も多く持ちやすいのかもしれない、と想像します。

最近セッションの最後にほんの少しだけ発達に関わるようなムーブメントを入れています。これによってイールドに加えて反射の統合の部分で安全・安心な感覚や自分とつながりなおすことを加えられると考えています。

そういえばセッションのとき楽しそうにされたり笑いだされる方って結構多いのですが、もしかすると腹側迷走神経複合体が活性化されて遊びのモードが立ち上がっているのかもしれませんね。それは思ったよりずっと深い意味のあることなのかもしれません。

余談ですが、灰谷さんには一緒に過ごさせていただいた時間の中で言語的にも非言語的にも色々なことを学ばせていただいたように感じています。中でも「遊ぶ」とか「人とつながる」ことを肌で感じられたことは私の大きな財産です。

安全・安心な感覚の中で自分とつながりなおす




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